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【数打ちゃ当たる説】売れる商品の見つけ方+私の成功例&失敗例も紹介

2021.09.10(更新日:2021.09.10)

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悩み

自分の商品を販売してみたいけど、本当に売れるのか不安。リスクは嫌だし、失敗もしたくない。実際、どんな商品なら売れるんだろう?

といった悩みにお答えします。

 

私の経験

私は元は広告デザイナーですが、色々と思いついたことは実現していきたいタイプなので、商品の制作・販売もしています。

やろうと思えばなんでもできると思っているので、自分が売ってみたいと思った商品は、制作の方法と販売場所を考えて、すぐに販売してみます。

 

ちなみに、一番最初に商品を売ったのは、24歳の時にデザインの勉強で留学していたロンドンのフリーマーケット。英語は全然できませんが、なんとか身振り手振りで商品を紹介し、マーケット出店の審査を通してもらって、販売していました。

 

この時は、日本に少しでも興味を持ってもらいたくて、大好きな折り紙で作った小物やアクセサリーを販売していました。

これは観光客に結構ウケて、そこそこの売れ行きでしたが、出店費や日本から取り寄せた材料費、制作時間などを考え、利益で考えるとマイナス。商売だったら赤字です。

 

すごく勉強になった経験で、本当にやってよかったですが、これを機に『商品』についても色々と考えるようになりました。

 

その後は、日本で店舗販売もネット販売も、様々なジャンルの商品で挑戦しています。

今回は、その経験に基づいて「売れる商品」について書いていきたいと思います。

 

 

結論:売ってみないと分からない

結論からお話してしまうと、結局売ってみないと何が当たるか分からないのが現実。

私自身、今まで色々なものやデザインを販売してみて、「え、これが売れるんだ!」「これ、売れると思ったのに全く売れない!」などの経験が何度もあります。

 

ただその経験を重ねて行くと、確実に、 売れる商品を見つけられる確率が上がります。消費者の考えや傾向が、なんとなくわかってくるのです。

 

事実、私は物販に関してはなんの経験も知識もないド素人で、ロンドンで販売していた折り紙グッズは赤字、初めてデザイン〜工場制作した手ぬぐい商品はほとんど売れませんでした。が、その後の販売商品では、確実に利益を伸ばしています。

 

『数打ちゃ当たる』というか、初めは 数打って、学ぶ。そして、当てに行く。が正解。

 

「これ売れそう」は、自分のエゴの可能性あり

一番危険なのが、自分の中の好みや消費者としての欲に左右されてしまうケース。

自分が常識で一般的だと思う人も多いですが、実際は意外と違う考えを持った人も多く、お金の使い所も人それぞれです。

 

なんの経験もなく、独自の基準で「これ、絶対売れそう!」と思う商品を、いきなり大量生産・仕入れをして、販売に挑むのは、かなりリスキーです。

 

何を売るにも愛情が最重要

花屋

これから物を売っていこうと考える人は当然「売れそうな商品」を探そうと思います。ですが、これは間違えです。

売れそうだと思うものではなく、自分が本当に愛情を持って「たくさんの人に届けたい」「使って欲しい」と思えるものを売るのがベストです。

 

うわべだけの販売や文章は、消費者に見抜かれて伝わります。愛情があり、自分自身が「これは本当に素敵だ!」と思うものの方が、買い手も買ってみたいと思うものです。

 

私は花をよく買いますが、同じ値段の花でも(少し高かったとしても)、店員さん自身が花好きで、日々愛情を持って売っている花屋さんから買いたいと思います。ただ仕事だからと、売れそうな花だけを並べて、時間になると水をあげるようなお店で買おうとはあまり思いません。

 

「売れそうな物」を売るよりも、自分が好きで「売りたいと思える物」を売る方が、確実に売れる商品を見つける近道です。

 

私が経験した3つの販売例

では、これまで色々なものをデザインしたり、制作したりして販売していますが、その例を成功・失敗含めて3つ紹介します。

 

手ぬぐい商品の販売例

冒頭で紹介した折り紙商品に引き続きですが、日本の伝統を活かした物作りがしたかったので、手ぬぐい商品をデザインし、販売していました。

具体的には、手ぬぐいのエプロンとハンカチです。

 

手ぬぐいの染め方にもこだわり、岡山の本格手ぬぐい製造工場で染め、仕立ててもらったので、制作費用もかさみました。

 

折り紙商品は、日本でも3店舗に卸して販売していたのですが、この3店舗とも手ぬぐい商品は受け入れてもらえず、他店舗への直談判もいくつかいきましたが、販売に至りませんでした。やむなく、ネット販売をしたのですが、これも思うように販売数は伸びず、結果在庫を抱えてしまう形となりました。

 

子供用知育教材の販売例

出産を機に、私自身子供の知育に興味を持ち始め、最初は販売目的ではなく、息子のためだけに制作していました。

制作にハマり、かなりの量になったんですが、これをママ友に話したら「売って欲しい」とたくさん言っていただいたのが、販売のきっかけでした。

 

「赤ちゃんから使える絵カード」として、気軽にネット販売を始めたんですが、これは大当たりしました。

 

私の予想ではありますが、いくつか買ってもらえる要因が考えられ、下記が挙げられます。

  • 私と同じように知育に興味を持つ親御さんが多かったこと
  • 個人制作で印刷も安かったので、企業から出しているものよりも安価だったこと
  • デザインが可愛いものが今までになかったこと
  • 同世代の価値観が共有できていたこと
  • フリマアプリなど、育児中も購入しやすい媒体で販売したこと

 

ちなみに、この商品については、デザインをデータで保持していて、受注生産にしているので、在庫を抱えなくていいのもかなり大きな利点になっています。

 

 

転写紙の販売例

転写紙を知っている人は割合的には少ないと思いますが、ポーセリンアートに使用される食器に焼き付ける用のデザイン紙です。

 

個人が教室を開いていたり、趣味でやっていることが多いため、ターゲット層はかなり狭くなりますが、確実に需要のある分野です。

 

転写紙については、デザインを卸して、委託販売している形ですが、最初は「これは可愛くて、絶対売れる!」と思ったデザインが、全く売れずに驚くことも多かったです。

私自身がポーセラーツをやったことがなかったので、購入ターゲットの価値観を共有できていなかったのだと思います。

 

ただ、自分が得意なデザインジャンルと掛け合わせながら、好きな食器デザインをしていたら、だんだんと売れ行きのいいデザインを当てる確率が上がりました。今は、デザインで大ゴケする事はないかなという自身も持てるようになってきました。

 

この商品は知育教材と違って、受注生産ではないので在庫は出ますが、その代わり委託販売の大きなメリットがあります。

 

まず在庫は抱えても手元にないので、保管場所を確保しなくて良いのと、デザインを提供した後は完全委託なので、「売れるデザインを生み出せば、何もしないで商品が売れる」という最大のメリットが存在するのです。これは、印税に近い感覚ですよね。

 

 

予算はかかるけど、一発逆転は低確率

事業を始めて、商品を製造販売するとなると、当然最初に予算もかかります。誰もが、大ヒット商品になることを願って商品開発に取り組むのは、当たり前の事です。

 

が、一発逆転できる商品を始めから当てに行くのは、なかなか難しい確率です。ダーツや射撃を経験したことがない人が、矢1本だけで勝負に挑むのと同じです。

 

何度か投げながら、調整を重ね、運やタイミングも味方してくれた時に、ヒット商品が生まれます。

 

全然売れなかった商品は、在庫として抱えてしまうことになりますが、私はその経験も本当に良い勉強になったと思います。放った矢は無駄にはなりません。

 

物販したいなら、経費も自己投資と思おう

商品を販売するとなると、その仕入れや制作費用がかかり、一旦は在庫を抱えるケースが多くなります。

 

ただ、最初のうちはそれも学習費でもあり、投資費用でもあると考えた方が、前に進んでいけるでしょう。考えただけで販売しなければ、何もなりません。自分の頭の中だけで完結し、「この商品売れただろうな」と思いながら、時間がすぎて行くのみです。

 

それなら、一度世の中に出してみるべきです。失敗しても、その経験から必ずなんらかの学びはあります。費用が大きすぎると、その後の手を打ちにくくなりますが、多少の出費なら自己投資です。

 

なかなか腰が重たい人や、行動する前に考えてしまうタイプの人は、この本オススメです。

 

 

商品を売るためのチカラ

ちなみに、モノを売るためには、当然ながら商品以外の力も関係していきます。

難しい本はなかなか苦手なので、私が読みやすく参考になったと思う本をいくつか紹介しておきますね。もし、ご興味あれば。

 

正直、経験豊富で成功率の高いバイヤーでも、失敗はあるもの。トライアンドエラーを繰り返しながら、学び、予測を立てて進んでいきましょう。

 

商品販売に悩んでいる人、一歩を踏み出せないでいる人の力になれることを願っています。では、また。