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独立当初50万円の支払いをバックれられ、お客さんに逃げられた話《仕事受注時の契約方法を公開》

2021.08.26(更新日:2021.08.26)

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悩み

独立して仕事を受注したはいいけど、契約関係はどうすればいいの?フリーランスの人はみんなどうしているの?未払いになるのは良く聞く話だけど、事前に防止できる方法は??

 

といった悩みにお答えします。

 

 

今年で独立10年を迎えました!振り返ってみれば、色々ありました。。全て勉強になっているので、今がある訳ですが、損したり不安なことは、事前に予防しておきたいですよね。

 

ある日突然、クライアントは消えた

フリーになって3年ほどたった時、50万円の案件の支払いをバックれられた経験があります。

 

フリーの営業さんに紹介してもらった中小企業の社長で、新事業立ち上げのデザイン依頼でした。何度も打ち合わせを重ね、納品物もほぼFIXしていました。新事業への意気込みも色々と話していたので、割と信頼していていました。

 

が、ある日急に打ち合わせに顔を出さずに、音信不通になりました。。

 

何があったかはわかりませんが、大方の予想だと本事業か出資会社との関係がうまくいかなくなり、予算を捻出できなくなったものだと思います。

 

当時の私にとって、結構な大型案件で、その収入がなかったことでかなり生活が危うくもなりました。時間もかなり費やしていたので、精神的なショックも大きく、事業的にも単純に赤字でした。

 

証拠になり得るものを全て揃えて弁護士に相談に行ったり、クライアントの自宅に請求書を何度か送ったり、一緒に動いていた仲間が自宅に行ったり、とその時やれることは全てやりましたが、結局資金回収はできず。。

 

今回は、そこで学んだことを生かし、事前に契約をすることの大切さを記します。

 

フリーランスは受注前の説明&契約が最重要

契約

個人で仕事をしていると、契約が曖昧になり、制作の流れなどもなんとなく進んでいくケースが多くあります。

 

先方主体で動くと、大体の場合、納期と予算は自動的に決められてしまうにもかかわらず、素材の提供時期や振込時期などについての説明はありません。

つまり、こちらの義務には敏感ですが、自分たちの責任などについては提示してこないのです。

 

そこで重要なのは、必ず事前にそういった話し合いをすること

これが後手に回ると、関係がこじれてきます。

 

個人はナメられる

個人も働きやすい世の中になったとはいえ、残念ながら、現実問題はやはり会社に比べて個人は圧倒的に弱いです。

中でも、 若い・女性・独立仕立て・経験が浅いなどの人は、ナメられる可能性大です。。

 

個人に依頼する時、たまに遊び感覚で「これお願いしたいんだけど、○円でいい?」と言ってくる人がいます。イラストを書くのが趣味の学生に「似顔絵描いてよ、今度奢るから〜」みたいな感覚に似ています。

 

しっかりと仕事として責任を持って請け負っているこちらからすると、失礼だなと思いますが、恐らくそうゆう人にあまり悪気はなく、自然にそう話しています。これがまた厄介で、”仕事”を頼んだ自覚がないのです。意識的な問題ですが、ここが法人に依頼する時と大きな差です。

 

なので、私は法的効力よりも精神面に働きかける方が効果があると思っています。実際、下記の3つを始めてからは1件も未払いがありません。どんな小さい案件も全て回収できています。

 

未払いや資金回収に時間がかかって困っている方は、すぐに実践することをお勧めします。

 

契約の3つの重要ポイント

01.初回発注時には発注書にサインを

私は初めてご依頼をいただくお客さんは特に、発注書の裏面に『ご依頼規約』を記載し、手書きでサインか押印をしていただいています。

 

契約書を結んでも良いと思うんですが、個人で最初に契約書から入るのも、なんだか壁があり、逆に警戒されることもあると思うので、私流で「発注書の裏面」にしています。

これが実際に、法的効力のあるものなのかというと、そうではないかもしれませんが、書面(文章)で規約を説明し、サインしてもらうことで、「ちゃんと仕事を依頼され、始めますよ」という合図になります。相手も、口約束よりも依頼しているという実感がわくし、責任を感じるはずです。

 

私は、発注書のおもて面には見積もり金額を載せており、裏面にはこちらの責任を果たす上でのリスクヘッジを記載しています。

参考までに、裏面の「ご依頼規約」の一部を載せておきます。

  • 制作開始後のキャンセルについては、見積額の50%をキャンセル料金として申し受けます。
  • 弊社以外の業者(サーバー会社、ドメイン会社など)のトラブルの責任は一切負いかねます。
  • 短納期をご希望の場合、特急料金(お見積もり金額の30%)を加算させていただく場合がございます。

ここは、職種によっても異なりますが、業界でよくあるトラブルの対処を記載しておくと良いと思います。

 

02.高額案件は手付金をもらう

WEBサイトの作成やブランディング、大型のグラフィック広告などは、請求額が割と高額になるケースが多いです。

経費などが先にかかるケースも多く、高額な請求が後回しになるほどリスクになります。

 

なので、請求額が高額になる場合は、必ず見積額の半額を振り込んでもらってから作業をスタートさせるようにしています。

もちろん、クライアントとの関係によって融通を利かせ、納期に間に合うように先に進めてしまう場合もありますが、その場合は「基本的には手付金をお支払いいただいてから作業スタートさせますが、〇〇さんは特別なので先に進めちゃいますね!」というような言い方をします。

 

そうすると、特別感も持ってもらうことができるし、「そんなに優遇してくれているなら、こちらも急ぎで対応しないと」と思ってくれるケースも多いです。(というか、私が良い関係を築けているお客さんは、結果的にお互いに気遣える関係の人たちなので、自然とそうなるのかもしれません。)

 

03.最初に制作の流れを説明

私は最初の打ち合わせ段階で、必ず紙にプリントアウトした制作の流れを見せながら、説明します。

 

なぜかというと、制作に必要不可欠な素材(例えば、商品画像や重要なテキスト部分)などの提供が、全くされないまま、「とりあえず、進めといて!」ということが非常に多いからです。とりあえず進めても、素材次第ではレイアウトがかなり崩れるので、二度手間。つまり、単純に作業時間は倍増するので、こちらとして避けたい部分です。

 

あと注意したいのは、「納期はなる早で!」のパターン。あるあるです。

そのパターンの時は、実際は納期は明確に決まっていないので、クライアントの気分次第で、どんどん納期が遅れていきます。つまり、請求・振込時期も後ろ倒しです。

 

なので、必ずどんな流れで制作を行うのか。制作にどれくらいの時間がかかるのか。を提示しておきましょう。可能であれば、大体のスケジュール感についても伝えられると良いでしょう。

 

それでもモンスタークライアントは存在する

どんなに対策をしても、個人の規模だと、どうにもできない状況も出てきます。明らかに相手が悪い場合でも、弁護士などをつけて裁判をするとなると、費用がかさみます。そうすると、妥協して引かざるを得ない状況がほとんどです。

 

こんな時は『相手にしない』が一番賢いです。下記の記事でもまとめています。

 

不安な場合は、サイトを通したり、派遣会社や代理店経由での仕事受注もありです。

もちろん手数料・マージンが取られるので、個人で受注から全てを担うよりは売上が減りますが、安心料でもあります。営業にもなったりするので、人によっては、こういった働き方もありだと思います。

 

直接のやりとりに不安がある方は、仲介会社を載せておきます。バックれや未払いのリスクは、かなり軽減できます。

Free Engineer Office|フリーランスエンジニア向け求人サイト:比較的案件数も多いので、リサーチ目的も◎

クラウドテック|働き方改革でマスコミの注目を集めているフリーランス求人サービス :クラウドワークスが運営しているフリーランス求人サービス。リモートワーク推奨。

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テクフリ|フリーランスエンジニア求人:エンジニア向けのものが多いですが、デザイナーやライターの求人もあり。

クラウドワークス|日本最大級のクラウドソーシング:副業としてもできるので、登録しておく価値あり

 

 

真似でもいいから今すぐ契約書を作ろう

個人でやっている方のほとんどは、そこまで契約をちゃんとしている人はいないでしょう。むしろ、「個人でそんなことをしている堅苦しい人に頼みたくない」と思う企業も多いと思います。

 

『契約』という言い方だと、かしこまって聞こえますが、私が言いたいのは、 人としての『約束』をしている自覚を持ってもらいたいということです。

 

約束は必ず、事前にするものだと思います。仕事を受注&進行後では遅いです。

真似でも、簡易的なものでも構いません。法的効力の有無にかかわらず、約束した実感のある書類を、今すぐに作成し、事前契約を行いましょう。

 

個人で仕事をされている方の、支払い関係の悩みがなくなるように祈っています。では。