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CI(コーポレート・アイデンティティ)について、新卒採用に例えて考えてみた

2018.04.06(更新日:2021.09.02)

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少しずつ暖かくなり、外にでるのが楽しくなる季節になりました。
そして、すっかり採用の季節ですね。街でリクルートスーツを着た若者を目にすることが多くなりました。

今回は、そんな新卒採用の面接と、企業に大切なブランディング に関する事を掛け合わせて、記事を書いてみることにします。

高層ビル群と桜

とはいえ、
『CIって言葉は耳にした事あるけど、いまいち何のことか、よく分からない。』
という方、多いのではないでしょうか。

 

CIって、一体なに?

4人の男女が首を傾げている

CIとは、コーポレート・アイデンティティ(Corporate Identity)の略で、一言でいうと、独自性を確立する企業戦略の一つです。

 

CIは採用試験でいうと、自己PRのようなもの

自己PRって、自分の個性や長所を企業にアピールしますよね?
「私はこんな人間です。」
「こんな事を経験して、こんな事が出来るようになりました。」
といった感じです。

それを、企業側が社会に向けて発信していくのが、 CIなのです。

企業は、競合他社との違いを世の中に広めて、自分たちしか成し得ないものを創り出します。
これによって、他社との差別化ができるようになり、自社ブランドを構築していくことができるのです。

ちなみに、ここで陥りやすいのが、
他人と同じであろうとすること。

『人と違う』
それが、その人の良さなのに、わざわざ潰して隠そうとしてしまいます。
みんな同じ、とか、多数派がよしとされる、日本人特有の文化だと思います。

せっかく、みんなとは違う部分を持っているなら、
自分にしかできないことを探して、
最大限に活かせる仕事を探していって欲しいです。

ヒゲが生えて、シルクハットを被った白毛の老人

 

CI確立のために重要な3つのこと

01.自分を知っているということ

自分アピールするには、当然自分自身でそれを分かっていなければならない。
つまり、自己分析が必要です。

成長過程

就活の経験がある方は、一度はやったことがあるのではないでしょうか?
自己分析は、自分がどんな生活環境で、どうゆう道のりを歩んできたか。何が出来るのか。
そして、何に向いているのか?何がしたいのか?
を理解する手段です。

企業もこれと同じように、
市場調査・リサーチをして、自分たちの必要とされる場面やターゲットを見極め、
自社の良さや独自性を探していくのです。

02.アピールできる時間は限られている

大きい目覚まし時計と困っている男性

採用試験って、受ける企業によって、PRできる時間は違いますよね?

私も大学の時に少しだけ就活をした事があるのですが、中には30秒しか面接時間がない会社もありました。

最初は嘘でしょって思いましたが、
その会社は本当にたった30秒の自己PR時間だけで、面接の合否を決めていました。

その時は、無我夢中でしたが、
今になって考えると、
全員に与えられた30秒を使って、いかに自分を出せるか、
という頭の回転や時間の把握、要領の良さ、短時間でも焦らずに堂々と話せるストレス耐性など、色々な部分を見ていたのだなと思います。

新卒採用試験で、制限時間があるのと同じように、
企業が消費者にPR出来る時間も、そして場所も限られています。

企業が消費者にアピールできる場所は、
・テレビCM
・街中の広告
・WEB検索結果
・商品と触れ合った時
などが挙げられます。

いずれも、PR時間はごく僅か。。

思い出してみてください。
今朝、駅で電車を待っていた時、
駅ばり広告を見ましたか?
そして、その内容を覚えていますか??

広告制作をしている我々のような立場だと、とても悲しいですが、
ほとんどの人が見ていないのが現実です。
スマートフォンの発展と共に、その状況は深刻化し、
広告を見てくれていたとしても、その時間は
歩きながら駅貼り広告を横目で見る、
たったの0.03秒です。

 

03.記憶に残してもらう

記憶のイメージ

新卒採用試験では、
おそらく企業側の方々は1日に何人も、
多い会社だと何十人もの学生を面接しているはずです。

自分がもし、その日の最初の面接にあたったら、
その日が終わるときに、面接官に思い出してもらえるような取り組みをしていますか?

スーツを着て髪をセットした学生が
同じようなことを言い、
当たり障りなく終わる。
これも一つの戦略なら良いですが、おそらく印象は浅いでしょう。

企業のCI戦略も同じで、
どこかで見たことありそうな、どこにでも置いていそうな商品は、
結局『何かの真似』としか認識されないのです。

それだと、
その商品である意味がなくなってしまいます。

最初にお伝えしたように、
CI戦略というのは、企業が独自性を確立していくことで成り立つのです。

そして、それを限られた時間=”広告を見てもらえる一瞬”で、
いかにインパクトを与えて、記憶に残してもらうか

という非常に過酷な勝負なのです。笑

ただでさえ、インターネットやスマホの発達で情報社会が進んだ今、
1広告に意識を向けてもらえる時間はどんどん少なくなっています。
さらに、情報が次から次へと入ってきてしまう世の中で、
それを思い出してもらえるチャンスも確実に少なくなってきているのが現状です。

CIを確立した上で、いかに効果的な打ち出し方を探すかも、
企業側の力量が試される一つと言えそうです。

 

CI=企業としての軸

これまで、CIの社外に向けた取り組みや必要性についてお話してきましたが、
CIの軸になる部分は社内で作られるものです。
つまり、就活でいうと、自分自身の意志が固まっていることが大切だということです。

広告に対するマーケティング力や企画力、デザイン力が試されている中、
やはり企業の軸が確立してなければ、何もなりません。

今までに、急成長したベンチャー企業で、
目先の仕事に追われて、 CIが固まっておらず、
企業の成長が進んだ後に空中分解した企業をいくつか見てきました。

つまり、原点となる CIの社内統一がしっかりしている会社ほど、
長期的に成長・繁栄していくといって、過言ではなさそうです。

 

社内外のイメージを一致させる必要性

企業CIの確立には、
採用試験や人事、募集活動、人材育成など、
社内の人間に対する取り組みが必要不可欠です。

軸が統一され、社内の人間の意識が高まるほど、
社外に向けられるCIが統一されるのです。

就活ので面接官に
『自分の軸は何ですか?』という質問をされたことがあります。

要は、自分の中で固まっていないものは、
他人には伝わらない。
これは、企業でも個人でも一緒なのです。

 

最後に

扉の向こう側に光

 

就活生の皆さんへ

今年の就職活動はまだ、始まったばかりだと思いますが、
自分の軸をブラさずに、素敵な未来への入り口を見つけてください!

 

企業側の皆さんへ

普段の仕事で手がいっぱいな中で、
面接や選考を行なっている企業側の方々も多いのではないでしょうか。
しかし、人事はCIを確立していく上で、とても重要な部分です。
より自社にあった、一緒の方向を向いて進んでくれる人材を選んでください。